げんきさんのこと 2
2016年 04月 26日
仮義足で工房に立つ「げんき」さん。
この整形外科靴マイスターと言う資格は、世界の整形外科靴業界の中でも
最高峰と呼ばれる技術のドイツでの国家資格。整形外科靴・靴型装具・足底板・中敷き(インソール)
を整形外科的に分析してあらゆる足の変形や病気またはスポーツに対応して製作します。
ドイツでも4000人強しかいない、希少医療系国家資格。
げんきさんは2003年8月にケルンで職業訓練を始め、
2005年の秋に職人試験(マイスターの前のゲゼレと言う職人資格)に合格。
引き続き2年ほどケルンで働き2007年にザクセンのマイスター学校でマイスターコースに参加、
そして2008年10月にマイスター試験に合格。
と、順調に、しかも解剖学の授業など全てドイツ語で受け、試験も実技も合格。
マイスター試験後、ウィーン1区にある高級オーダーメイド靴店で2年働き、
エレガントなフルオーダー靴の製作も学んだそう。
その後はニーダーウスターライヒ州にある整形靴店に2年就労。
現在はドイツは黒い森にある整形靴店で働いています。
そして、去年10月に事故に遭遇して右足下腿を失ってしまうわけですが、
もう仮義足で工房で1日フル作業。ここの所忙しい日々が続いていて、先日は糖尿病足病変の
患者さんの整形靴(ドイツは糖尿病と診断された方の予防インソールや靴は保険適用に)
製作にとても忙しかったそう。
今度は治療中、治療後の医療機関や周囲の支え、職場環境、職場環境での
気持ちの変化など聞いてみようと思っています。
でも、なんと言ってもドイツと言う足と歩行を守る環境がげんきさんの今の状態を
支えて呉れているのは勿論のこと、一番は本人の精神力と努力だと思います。
そして、整形靴マイスターとしての職業的使命。誇りを持って仕事にあたられているのを
げんきさんとのやり取りで本当にひしひしと感じます。
私もゲンキ付けられるゲンキさんです^^