ドイツ職人の世界は実はここにも・・・
2014年 08月 20日
なく、色んな分野にマイスター制度が歴史として息づいています。
その一つでもある宝石彫刻職人。職人というより、彼らと接していると、芸術家だなと思います。
(バイカラー2色のトルマリンを用いた馬彫刻~ペンダントトップ・ブローチなどに・総手彫り)
ドイツは、イーダー・オーバーシュタインという山奥で昔メノウが取れたのです。
メノウは層になっているかなり硬度のある石ですから、その層を利用してカメオ彫刻が
発達しました。イタリアのシェルカメオが有名ですが、イタリアのカメオ職人達は、
ドイツ人宝石彫刻家の高い技術をよく知っていて、ドイツに技術研修に来るほどです。
この絵付けインタリオは世界でも数人のドイツ人宝石彫刻家しか現在では彫る事が出来ません。
ロンドンやパリのアンティーク市場などで14~15世紀のオリジナルのものが
高値で取引されています。その手法を今でも守っているのがイーダー・オーバーシュタインの
宝石彫刻家達数人なのです。
技法としては、クリスタルの裏から深く手彫りで彫り込んで、
アクリルで更に筆で一つ一つ手で絵付けしています。
裏から白蝶貝で留めて、絵が映えるようにして、カフスなどに使用します。
イーダー・オーバーシュタイン(Idar-Oberstein)にはヨーロッパ最大の
宝石博物館と宝石職人学校もあるのは、この歴史と高い技術力によるもの。
カメオを専門に扱うジュエリーショップや宝石業者、デザイナーさん、
一部のコレクターの間では、ドイツ宝石彫刻は実は長きに渡って知られた存在でした。
けれど、素材自体が安価で大量生産できるイタリアカメオや機械掘りカメオなどに
押され、手彫りを専門とするドイツ人宝石彫刻家はここ10年位厳しい時を過ごしていました。
しかし、最近ではNHKもイーダーの宝石彫刻職人達や展示会の
特集番組を組むほど、ドイツの宝石職人・石研磨・カット職人さん達が
世界中から注目され始めていて、ここ2,3年非常に業界専門の展示会Intergemが盛り上がっています。
海外企業勤務時代からバイヤーとして出入りさせてもらっていた私は本当に彼ら
いくつかの彫刻家一家とは、今でも家族ぐるみのお付き合いをさせてもらっています。
去年はそんな元気な展示会を
お客様と一緒に歩き、彼らの底力をひしひしと感じました。
向き合う物が何であれ、ものづくりに誠実で真剣な人を心から応援したい、
そんな人たちをどんどん紹介していきたいとお仕事の中でも私生活でも常に
思っています。
2014年のIntergemは10月1週目です:http://www.intergem.de/index.php?lang=en
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Dankeです!
(こちらも貼り付けでなく、トルマリンのバイカラーの層を利用して総手彫りです)