通訳者としての心得1 身だしなみ編
2013年 10月 17日
今年は世界がモーターショー年で、フランクフルトの視察・商談同行通訳に始まり、医療機器関係の仕入れ商談通訳と、日本から同行させて頂く通訳が重なりました。
今は少し落ち着いて、コンサルをお願いされている会社の市場調査や翻訳類に集中しています。
そんな中、近所の100円SHOP前を歩いていたら、おば様3人組の会話が飛び込んで来ました。
一人が、もう一人に、
『あんたは最近急に耳が遠くなったと電話でも心配していたけど、今日は随分良く聞こえてるみたいだね~!』と。
そうしたら、言われた本人、
『最近、耳が遠くなった、遠くなったとあまりにもみんなから心配されたから、おかしいなぁと思って、昨日耳鼻科に行ったよ~。そしたら、あんた、小指の第一関節位の耳垢が原因で、聞こえなかったさぁ~見せられてビックリしたさ~今日は良く聞こえてるわぁ!』
と三人でそれは良かった、良かったと頷いておりました。
私はこの話を聞いて、幸せな世の中だなぁと思わず本気で道端でズッコケそうになったのですが、その数日後、私の代わりの通訳仕事を紹介し、お願いした後輩通訳から、お客様を通訳するにあたっての心得を聞かれました。
この体験もあったからなのか、専門用語の調べ方、その業種の特徴と傾向を話した後に、身だしなみをとにかく整える様に後輩に指示。
と言うのも、これに加えてドンピシャなタイミングでドイツに住む日本人女性から、ヨーロッパ女性に多い口ひげ、一本眉 は避けたいから、顔そりを買って来て欲しいと頼まれたからです。
ヨーロッパでは、宗教的に女性が体にナイフを当てると言うのがタブーであり、体毛を剃ると言う習慣が最近、15年から20年位まではなかったので、足そりなどはあっても、女性用顔そりのマトモなカミソリが売ってないのですよ~((T_T))
通訳業では、ウィスパリングと言ってお客様の顔、耳元に近寄り、囁くように同時通訳すると言う技術もありますから、お客様に不快感を与えないため、口元は見た目も中身も清潔に保っていなければいけません。
私はなので、大変な歯医者魔であります。
矯正からずっと20年以上に渡りお願いしている先生には、大変質の高い短期間短時間治療とクリーニングでお世話になっております。
前置きが長くなりましたが、
そこで彼女にアドバイスしたのは、
一にも二にも口元チェック、
口臭、口髭には気を付ける!
常に歯ブラシ携帯、時間がない時のためにキシリトール入りの歯磨きガムや、口臭防止の飴などを携帯する事。
また歯に食べかすなどが付着していないか、小さな鏡も必ず携帯し、確認。外国側のお客様とは目を合わせて話す事も多いので、目脂にも注意する事。
男性通訳者であれば、背広の肩のフケ、耳毛、鼻毛に気を付ける事。
三には、香水は飲食業界以外、使用しても差し支えないが、決してつけすぎない事。
四には、服装はシンプルに清楚に美しく。あまりに目立つ様な色、柄には気を付ける。ジュエリー業界など、業界に寄っては少し華やかに。
五に、展示会場を一緒に回る通訳の場合はなるべく歩きやすい靴で現場に入ること。
以上を、まず身だしなみの基本として後輩駆け出し通訳ちゃんに指導しました(*^^*)
彼女はとても真面目で真っ直ぐな女性なので、早速ラインで当日の服装写真を送って来ました。(笑)
素晴らしい心がけ!
いやいや、たかが服装と思われるかもしれないですが、されど服装。
以前お客様から、
『紹介された通訳さん、本当に良くやってくれて感謝しているんだけど、服装がセクシー過ぎて、男性ばかりの職場ではあれはまずい。Mさんからやんわり言って欲しい。』と指摘された事もあったのですよ…(苦笑)
かと思えば、『あの通訳さんは、話すのが早くて通訳タイミングも抜群で、非常に分かりやすかったんだけれども、口角に泡が噴いて貯まって行くのが、気になって気になって仕方なかった…((T_T))』なんてお話を聞いた事も。
ですから、私は神経質な位、口元、服装には気を付けているつもりです。
次回は、身だしなみはこの位に、
展示会商談通訳においての、ちょっとしたテクニック指導を紹介します♪
季節の変わり目、皆様、体調管理にはくれぐれもお気を付け下さいね!
通訳M